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【mp3】人生に「意味」なんかいらない
私たちを息苦しくさせる「意味を求める病」を手放す
人間は「私は何のために生きているのだろう」「私は何かに役に立つのだろうか」など、自分の生きる意味や役割について考えてしまう生き物だ。
とくに、幼少の頃から「夢を叶えよう」「誰かの役に立つ人になろう」「一生懸命に働こう」などという甘言を浴びせられて生きてきた現代人だったらなおさらだ。
なぜなら、こうした言葉は「夢を叶えず、誰かの役にも立たず、ろくに働かない人生は失敗」という呪いの言葉に容易に変換されしまうからだ。
だから、必死に自分の人生の意味を探し、それが見つからないと絶望してしまう。
さながら「意味を求める病」に罹ってるかのようだ。
しかし、本書では「人生には意味があるべきだ」とかいった言説に普遍的だったり超越的だったりする価値はないと喝破する。
そのうえで、「人生に意味なんかなくてもいいじゃないか」「そもそも人生に意味なんてない」と主張し、「意味を求める病」を手放す生き方を提案する。
生物学や科学哲学の観点から、「意味」にまつわるテーマを縦横に掘り下げ、語り尽くす!
◎そもそもなぜ人間は意味を求めるのか?
◎ミッドライフクライシス(中年期の精神的危機)の原因は「意味を求める病」?
◎意味を求めすぎると至ってしまう反出生主義やスピリチュアリティ。
◎生物の形質にはすべて、環境に適応するためという意味があるのか?
◎なくても困らない陰毛や耳毛が存在する意味とは?
◎無意味・無駄・無価値・役立たずは本当に悪なのか?
◎なぜ人間は意味のわからないものを恐れるのか?...etc
<目次>
私が「人生に意味はない」と考えたわけ――まえがきに代えて――
第1章 人生に意味はなくても楽しく生きられる
動物にはなくて、人間にはある意味を求める病
親が子へぶつける呪いの言葉
養老孟子さんちのネコの教え
死にたくなる気持ちもわかるが、まずはトンズラ
自我をなくした男は、なぜ自殺しなかったのか?
身体は変わるのに、自我が不変なのはなぜ?
自我は脳のどこにあるのか?――前頭連合野へのダイナミックシステム
異なるものを「同じだ」と認識する自我
「本当の自分」ではなく「自分が適応できる場所」を探せ
年代別自殺者数から考える「意味を求める病」との闘い
第2章 資本主義志向と意味の呪縛
「役に立つ=いいこと」は資本主義が生んだ幻想
利他主義の行き着く先は全体主義
健康診断やSDGsの大嘘
環境に適応できないなら逃げればいい
労働者の主体性を尊重する企業、雁字搦めにする企業
「犯行」も「あきらめ」も生存戦略のうち
狩猟採集民と農耕民の労働観の違い
人間が意味を求めるようになったターニングポイント
ネアンデルタール人の人間味と資本主義の冷酷さ
自給自足の生活は資本主義の敵
人間のいじめと動物のいじめはどこが同じで、どこが違う?
生存のための労働から、労働のための生存への逆転
役立たずと言われても気にするな
AIの進化は資本主義をどのように変えるのか?
ベーシック・インカムが価値観の大転換を呼ぶ
第3章 本当はたくさんある意味不明な生物の形質
生物界は意味のないものも多い――人間の耳毛・髪の毛・禿げ・陰毛……
人間から体毛がなくなった理由とは?
「手が器用になったから脳が発達した」論の信憑性は?
意味づけしなければ気のすまない病――ハンディキャップ理論
ダーウィンの進化論の「本当らしさ」と疑問
ダーウィン流進化論への疑問――クジラの能動的適応
自然界に存在する意味に代表「擬態」
実は検証はされていない隠蔽色の有用性
適応論のあやしげなところ
なぜか生き延びているナマケモノの奇妙な生態
ご都合主義!? 適応論のパラダイム
機能が先か、構造が先か?――生物の毒と警戒色
知れば知るほど不可思議な擬態――ベイツ式擬態
疑わしき擬態の有用性――ミューラー式擬態、メルテンス式擬態、数量擬態、化学擬態
第4章 「無意味」への恐怖を克服しよう
人間は意味のわからないものを恐れる
意味がわからないものに無理やり意味づけをする人間
結局、生得的な恐怖もある?ない?
一神教と科学に見る袋小路に入り込む思考パターン
構造主義科学論の見地
視点を変えれば人間の評価も変わる
あとがき――意味などないけど楽しく生きよう
商品管理番号 | 1859-5721 |
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価格(税別) | 3,300円 |
ディスク枚数 | 1枚 |
再生時間 | 271分 |
発売年 | 2024/8/1 |
作家 | 池田清彦 |
発行元/発売元 | でじじ/パンローリング |