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ドキュメント クマから逃げのびた人々[MP3データCD版]

【内容紹介】
人間がまともに戦えばほぼ勝ち目のない動物、クマ。襲われた当事者の生の声を聞く、衝撃のノンフィクション。
襲われたが命は助かった本人が自ら語る"現場"
顔面損傷(群馬県/果樹園)
片目失明(島根県/自家菜園)
拳をかじられる(北海道/牧草地付近)
テントごと引きずられ(長野県/キャンプ場)
「撃ってくれ!」「弾ないんだわ!」
「暗い道を歩いていると、どこからかまたクマに襲われるのではないかという恐怖心が湧いてくるようになってしまいました」
「耳元にかかるシュッシュッシュというクマの息遣いは今も忘れられない」
「真後ろからガバっとやられたんだ。声なんか聞こえなかったよ」
【はじめに】
クマはなぜ、人を襲ってしまうのか。
日本国内の熊害死亡事故は、2025(令和7)年に限っても、約半年、7月中旬の段階で3件が発生している。春先まで冬眠するクマの生態を加味すると、活動期間はほぼ3カ月。平均すると1カ月に1件というハイペースだ。実際には、6月下旬~7月上旬の3週間で3件が立て続けに起こっている。
クマに遭ったらどうするか。遭わないためにはどうすればいいか。万一、襲いかかって来られたら、いざという時はどう対処すればいいのか。
それらに対する模範的な回答は、確かにある。遭わないためには、クマに気づかせるために音を出す。遭ってしまったら、急な動きは避け、ゆっくり後ずさりする。襲われそうになったら、防御姿勢をとる……etc.
確かに、これらは有効な手段であるし、覚えておいて損はない。ただ、相手となるクマは、人間より力が強く、鋭い爪や牙を持っている。動きも俊敏だ。つまり、人間が正面から戦って勝てる相手ではない。ということは、セオリー通りに対処しても、クマの攻撃力のほうが勝っている以上、重傷を負ったり命を失う可能性は常にある。
なにより、そのような「自分より強い」相手に相対した際に、冷静に判断し行動できるだろうか、という心理的要素もある。
さらに、先に見てきたように、クマの行動にはそれぞれの個体差もある。本来、臆病であるはずのクマが、時には人を積極的に襲ったとしか思えない事例が、実際に起こっている。では一体、どうすればいいのか──。
本書では、クマに襲われたが命は助かった方々に、事細かに話を聞いている。特に、どのような場所で、どんなシチュエーションで襲われ、どう行動したのか。そしてどんなケガや後遺症を負ったか、ということを重点的に伺っている。加えて、その時々の心理状態も語ってもらった。
あくまで当事者本人の証言に基づくため、時間とともに記憶に歪みが生じていたり、個人的な見解が含まれていたりもしているだろう。それでも、極限状態を生きのびた当事者の生の声に、学ぶべきことは多いはずだ。
なお、本文中には、かなりショッキングなケガの写真も掲載している。あくまで、クマの被害を精確に伝えるためのもので、決して怖がらせる意図はないが、苦手な方もいると思う。そういった写真を掲載している記事は冒頭のトビラページに注意書きを記してあるので、参考にして頂ければと思う。
【目次】
CASE 01
きのこ採りの最中子連れ母グマに襲われ 一部始終が動画に
2023(令和5)年9月28日
[現場]岩手県岩泉町釜津田(早坂高原)
ヘッドカメラでクマとの一部始終を撮影
山の幸を採取販売する「原生林の熊工房」
唐突に始まったツキノワグマとの攻防
クマに襲われた人の数には入っていない
山でクマに遭わないためのセオリー
ラジオは周囲の気配を消してしまう
クマの好物と一年間のスケジュール
里に来たクマを監視し過ぎると逆効果
CASE 02
背後からの不意打ちで頭部をやられ大流血 クマの姿はまったく見えず
2022(令和4)年9月上旬
[現場]群馬県沼田市佐山町
音も気配もなく背後からの不意打ち
タオルが絞れるほどの大流血
人間とクマの境界線が失われつつある
臆病なクマがあえて人に接近してきたワケは
防ぎようがない背後からの不意打ち
CASE 03
瀕死のヒグマと格闘 繰り出した右拳が相手の口の中に──
2022(令和4)年7月
[現場]北海道滝上町滝西
ヒグマは飼料用のデントコーンが大好物
クマの箱罠の餌はシャケのアラが好適
60代から本格的にクマ駆除活動に関わる
連日出没するヒグマ二頭の駆除で牧草地へ
襲われる遠因となった二つの誤算
「撃ってくれ!」「弾ないんだわ!」
渾身の右パンチがクマの口に……
麻酔をせず医療用ホチキスで傷を縫合
後遺症と付き合いながら駆除活動を継続
特集 人とクマが共に生きるには──
北海道のヒグマ最新事情と未来を見据えた対策
………坪田敏男(北海道大学教授)
市街地出没が激増する現状 しかしクマは変容していない
「春グマ駆除」で絶滅危惧 近年の増加は制度廃止の影響
増え続けるデントコーン食害 ヒグマは餌場として認識
基本はベジタリアンだが肉食の〝ヤバいクマ〟が稀に出現
クマの領域に彼らを押し込め〝だだ漏れ〟を防ぐ管理が必須
ヒグマの保護管理を道に提言する有志による団体「ヒグマの会」
特集 人とクマが共に生きるには──
本州・四国のツキノワグマ 生態や現状とこれからの課題
………山﨑晃司(東京農業大学教授)
人間を襲うのは防御本能から 捕食目的の攻撃は99%ない
個体数増が出没数増加の原因?年代を追って分布域が拡大
森林利用の変化で日本の森が復活 ツキノワグマが住みやすい環境に
日本のクマは植物質に偏った雑食性 ヒグマとのハイブリッドクマはいない
クマの行動原理を知ることで遭遇する確率は下げられる
抵抗した場合は重症のリスク 最小限でしのぐには防御姿勢を
人口減少と里山衰退が続く中 どう人とクマが棲み分けるか
CASE 04
自宅裏の畑で突然クマが藪から現れ右目を失明
2023(令和5)年6月16日
[現場]島根県邑南町宇津井
顔面への一撃が右目に命中し視界を失う
クマと遭遇したことで日常の半分を失った
一度はやめた猟師の仕事も再開し続けている
生活環境の中にクマがいるという実感
山の上の家ではクマに遭遇したことはなかった
貯金の複利計算のように増えていくクマ
生まれ育った土地を捨てるという選択肢はない
CASE 05
地下鉄駅そばでまさか24時間続く痛みとPTSDに今も苦しむ
2021(令和3)年6月18日
[現場]北海道札幌市東区
東区でヒグマが人を襲ったのは143年ぶり
東区で繰り広げられたヒグマ出没事件の一部始終
地下鉄入口すぐの住宅街でヒグマに襲われる
全治3カ月で社会復帰は事故から7カ月後
24時間続く痛みと夜に恐怖を感じるPTSD
ヒグマはストレスで興奮状態だったか
重傷を負った安藤さんのアクシデント人生
後遺症を抱えながらも好きな仕事は続けたい
CASE 06
人気キャンプ場の深夜クマにテントごと引きずられ右膝負傷
2020(令和2)年8月8日
[現場]長野県松本市安曇上高地
ベテラン登山者がキャンプ場で被害に
唐突に始まったツキノワグマとの攻防
クマにテントを引き裂かれ死を覚悟
隙を見て走り出しトイレに逃げ込む
出血多量で命を落としていた可能性も
加害したのは餌付けされた巨大なクマ
事故を受けてキャンプ場はクマ対策を強化
特集 人とクマが共に生きるには──
救急医療の現場から学ぶ クマから命を守る方法
………中永士師明(秋田大学教授)
クマによる傷病者急増の裏にある 秋田県における近年の環境変化
日常に潜むクマとの遭遇リスク 気づいたときにはもう目の前に
爪での一撃は頭部や顔へ さらに口で?みついてくる
身体的な後遺症のみならず PTSDで苦しむ人も多数
無傷ではいられないことも多いが 首と顔を守る防御姿勢は必須
受傷後の治療は早いほどよい 一刻も早く救命センターへ
CASE 07
顔面を執拗に?まれ前例のない重傷を負うも「痛いと言ったら負け」
2006(平成18)年10月16日
[現場]群馬県沼田市秋塚町
仁王立ちから鋭い爪が顔面に振り下ろされる
夕焼けのように目の前が真っ赤だった
唇を食いちぎられ鼻は皮一枚の状態に
大量出血をしたまま自力で運転し帰宅
クマも怪我も撃退した強靭な精神力
現場付近は昔からクマの住処だった
市街地のクマへの発砲条件が緩和される
CASE 08
血まみれになりながら取っ組み合いで命がけの戦いを制す
1992(平成4)年10月7日
[現場]秋田県秋田市仁別
地図にない沢を上る途中で前方から
動きを予測した冷静な対処が功を奏す
逃げたと安堵するも束の間で再び襲撃
トラウマは残るもクマの立場を慮る気持ちも
特集 人とクマが共に生きるには──
日本で初めてベアドッグを導入 軽井沢町のクマ対策の20年
…ピッキオ
イヌの気配を感じとり猛スピードで逃げるクマ
星野リゾート社内にできた「野鳥研究室」がルーツ
国際的な保健休養地・軽井沢町 駆除に頼りすぎない保護管理を打ち出す
捕獲し発信器を付け放獣 繰り返すことで個体管理を進める
人による夜間の追い払いに 限界を感じベアドッグを導入
活動期には夜間から早朝まで 出没グマをイヌと共に追い払う
「イヌも頑張っているから」と地域住民も協力的になった
活動を維持・継続する費用確保が今後の課題
おわりに

| 商品管理番号 | 1859-5850 |
|---|---|
| 価格(税別) | 3,600円 |
| ディスク枚数 | 1枚 |
| 再生時間 | 298分 |
| 発売年 | 2026年3月 |
| 作家 | 三才ブックス |
| 発行元/発売元 | でじじ/パンローリング |