ある日、日本図書館協会映像事業部(以下、日図協)のA部長から電話があり、どうしても会ってもらいたい人がいるということだったので
「では、東京へいきますよ」
というと、本人が
「どうしても高崎で」
というので高崎駅の駅ビルの中華料理店で会うことになりました。
日図協のA部長のほかに男性が2名いらした。
「初めまして、遠間さん!私は、I(仮名)という会社で代表しとります、K田と申します。それからこっちはH原といいます」
「私共のI(仮名)って会社は、故・淀川長治氏からのご指導のもと世界の名作映画を後世に残すことを目的に設立され会社で800タイトルを超える作品を販売しております。
『日曜劇場の「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」でお馴染みの淀川長治の関係者~!なんでそんな方が自分に会いにきたの?』
なんて思っていると、K田氏が
「実はわたしは病気で医者から余命宣告を受けていて、あと数か月の命なんです」
「淀川先生からお預かりしたこの作品たちを埋もれさせたくないんです。どうしたら図書館の人たちに活用していただけるのかを、お知恵を拝借したくて会いにまいりました」
「どうか、忌憚のない意見をお聞かせください!」とのこと。
当時、私も日図協のビデオ専門委員として日本映像ソフト協会(邦画を中心とした旧ビデオソフト協会)の方たちと何度も会合でお会いして各メーカーの作品がいくら位か把握していたので
(洋画に比べて邦画は少し高めに設定されていた)、I社の作品は洋画が中心ではあるが、図書館では手がでないほどの高額であることをはっきりと伝えた。
すると少し驚いたような顔をされたので、図書館は映画館やテレビ局、ホテルやバス、飛行機などとの契約とはちがうことの説明をさせてもらった
さらに提供されるタイミングもレンタル店での解禁後一定の期間を経てからであることを。
K田代表はどうしても図書館で作品が購入してもらえる金額と映画上映会用の金額の設定をお願いしたいとのことでした。
後日、家に段ボールいっぱいのチラシや広告と全作品タイトルの説明がされた冊子が届いたので、そのすべてに目を通して作品の値段を設定を提案させていただいた。
すぐに、A2版の大きなチラシが出来上がり全国の図書館に配布されました。
「図書館で世界の名作映画を・・・上映会をお薦めします。」
「K田さんを送る会」のご案内が届いたのは平成19年11月のことでした。
